これから始まる連載「湘南の人」では、海などの自然に囲まれていながら、都心から電車で1時間ほどの場所に位置する湘南エリアで、暮らしを楽しむ人たちをご紹介していきます。
第1回目の今回は、生まれ育った愛知県を離れたあと20代後半で海外留学を決意し、1年ほど前に茅ヶ崎に移住してきた、アーシング&ライフコーチである坂井田恵利さん(以下、恵利さん)に話を伺います。
第1話は恵利さんが茅ヶ崎に移住を決めたきっかけについて。第2話では縁もゆかりもない場所だった茅ヶ崎で、地域のコミュニティに参加しながら「自分らしい仕事」を少しずつつくり上げていった様子について伺います。
>第1話「海と共に生きていく。海とは無縁、愛知で美容部員だった女性が、湘南移住を決めた理由」
コワーキングスペースの入居を通じて、仕事が生まれるように
偶然の巡り合わせがあった茅ヶ崎で、海と共に生きる生活を実現させている恵利さん。現在は海のすぐ近くのシェアハウスに住みながら、仕事をする前にサーフィンやビーチヨガをして、仕事が終わったらサンセットを見て、今日一日に感謝をする……。ただその繰り返しをして生きているのだそう。
時間があればすぐに海へ行き、サーフィンなどを楽しむ、恵利さん
恵利さん:
「私の暮らしの中での最優先事項は、海のそばにいること。そのために仕事をするし、そうしていると自然と仕事にも活きてくるんです」
そんな恵利さんの現在の仕事は多岐に渡ります。これまで経験してきたことを活かして始めたヨガの講師やイベントのプロデューサー、移住してから資格を取得して実績を積み始めたコーチング、とにかく自分がやりたくて始めた朝活のオンラインサロン……。ほかにもモデルの仕事など。「肩書きと呼べるものが多すぎて、訳が分からないですよね」と恵利さんは笑います。
しかもこれらの仕事は全て、移住してから1年の間に始めたものばかり。知人もいなかった場所で、どのようにしてつながりを増やしていったのでしょう。
タカスナベースで2か月に1回行われている、アーシングマーケットの様子。回を重ねるごとに、来場者が増えているのだそう(公式Instagramアカウントはこちら)
恵利さん:
「茅ヶ崎で暮らす人とつながるきっかけになったのは、モデルの仕事で携わったコワーキングスペース『タカスナベース』で、オーナーや当時撮影してくれたカメラマンとの出会いでした。
2人はわたしが『これをやってみたい!』というと、すぐに合う人を紹介してくれるんです。2か月に1回タカスナベースで開催している『アーシングマーケット』のプロデュースも、わたしがやりたいとオーナーに伝えて、タカスナベースの会員さんを紹介してもらい、協力してもらって始めることができました。
ほかにも行きつけの飲食店を見つけて通って知り合いをつくったり、Instagramで積極的に発信をつづけてフォロワーさんに助けていただいたり。そうして少しずつ地元の人たちとつながっていった感じですね」
東京から1時間の立地の良さも、茅ヶ崎の魅力
「フリーランス」という自由な働き方で、自分を活かし「やりたい!」をすべて形にしてきた恵利さん。東京から電車で片道1時間という距離にある茅ヶ崎の良さも、住み始めてからいっそう感じているのだそう。
恵利さん:
「同じ“海沿いのエリア”という条件でも、関東圏にいたほうが視野も広がり、仕事もしやすいかと考えていたので、湘南エリアを選んだというのもあります。
例えばフリーランスでヨガインストラクターをしているので、たまに都内のスタジオなどからもお声がけいただくことがあるんですが、そんなときも電車ですぐに会いに行ける距離に住んでいるので、すごく便利。機会損失になりません。
できるだけ自分が携わる仕事の全てを、オンラインで完結できるようになったら、もっと自由になるんじゃないかな。今でもパソコン一つあれば、場所を選ばずできる仕事ばかりなので、すごく自由な生き方が実現できていると思います」
エリさんのように海を愛し、海のそばを離れたくないと考え移住してきた人の多い茅ヶ崎では、やはり同様にパソコンひとつで仕事のできる、クリエイターの方が多いのだそう。
クリエイターでなくとも、場所を選ばずに仕事ができるようなスタイルにシフトしていくことを意識すると、移住の現実味が少しずつ増していくのかもしれません。海の見えるカフェで仕事をしたり、ときには砂浜の上で仕事をしたっていい。仕事に息詰まったら、海を見に行けばいい。そんな夢のような暮らしが、きっと茅ヶ崎ではできるのでしょう。
第3話では恵利さんが茅ヶ崎でどんなライフスタイルを送っているのか。そして茅ヶ崎の「人」について、伺います。
>第3話(9月6日公開予定)
「まるでハワイみたい。移住者を受け入れてくれる文化を育んだ、茅ヶ崎の人のあたたかさ」
タカスナベース
https://www.takasuna-base.co.jp/
エリさんの茅ヶ崎ライフでは欠かすことのできない、茅ヶ崎駅から徒歩3分ほどの場所にあるコワーキングスペース。エリさんは毎日自宅と、海と、タカスナベースの行き来しかしていないほど。茅ヶ崎で暮らす、多くの人との繋がりの拠点です。
text by Asako sakurai