これから始まる連載「湘南の人」では、海などの自然に囲まれていながら、都心から電車で1時間ほどの場所に位置する湘南エリアで、暮らしを楽しむ人たちをご紹介していきます。
第1回目の今回は、生まれ育った愛知県を離れたあと20代後半で海外留学を決意し、その後1年ほど前に茅ヶ崎に移住してきた、アーシング&ライフコーチである坂井田恵利さん(以下、恵利さん)に話を伺います。
第2話では茅ヶ崎で「自分らしい仕事」を少しずつつくり上げていった様子について。第3話では、思い描いていたスローライフを実現して暮らす恵利さんが、茅ヶ崎で普段どのような暮らしを送っているのか、そして茅ヶ崎で暮らす「人」について、伺ってみました。
>第1話「海と共に生きていく。海とは無縁、愛知で美容部員だった女性が、湘南移住を決めた理由」
>第2話「ご縁がつながり仕事が生まれる。茅ヶ崎で実現した『フリーランス』という働き方」
必要なものはできるだけ「顔が見える人」から、買う
海があるから、仕事を頑張れる。海があることで、仕事の幅が広がっていく……。とてもシンプルで理想的な働き方をする恵利さん。
そんな恵利さんの朝は早い。5時ころには目を覚まし、5時55分から朝活のオンラインサロンで瞑想やヨガのコーチをするのだそう。日中はコワーキングスペースのタカスナベースで仕事をこなし、夕方から夜にかけて海へ向かい、心を浄化して夜22時ころには布団に入ります。
今回インタビュー会場として協力していただいた、タカスナベース。エリさんと茅ヶ崎を繋ぐ、大切な拠点のひとつです
恵利さん:
「フリーランスで仕事をしていると、やろうと思えばいつでも仕事ができてしまう。ちゃんと自分のなかでリズムをつくって、規則正しい生活をすることは心がけています」
そうそう、都心に住んでいる人からすると、好きなアパレルショップやライフスタイルショップが近くになくて不便そう、なんて声も聞こえてきそう。恵利さんは洋服などの買い物はどうしているのでしょう。
週末になると湘南のあちらこちらで開催されるという、マーケット
恵利さん:
「買い物で都内にわざわざ行くことはほとんどないですね。茅ヶ崎は普段からいろんな場所でマーケットが開催されているので、新鮮な食材などはスーパーでなくても手に入ります。
洋服などもマーケットで友人のクリエイターがつくったものを購入します。百貨店やショッピングモールもいいけれど、彼ら彼女らが想いをもってつくって販売しているものが好きだから、あえてそういう場所で買うようにしているんです」
人をつなぐのが好きな、茅ヶ崎の人たち
料理が好きなので基本的には自炊中心の生活だという恵利さん。ときには人とのつながりを求めて、行きつけの飲食店や、バーなどにも顔を出すのだそう。
恵利さん:
「醸造所を併設した、クラフトビールのお店『GOLD’N BUB』によく行きます。オーナーさんが好きで、毎日通いたいほど気に入っています。
ほかにもサザンビーチの目の前にあるカフェ『PAPER MOON Cafe Chigasaki 』にも。知人のサーファーの女性がプロデュースしていて、そのご縁でヨガイベントやビーチクリーンの企画をさせてもらっています。
移住したらまずはいろんなお店に行ってみて、オーナーや常連さんと気が合う、空気感が合うお店を見つけたらいいんじゃないかな。茅ヶ崎の人はみんなをつなぐのが好きな人が多いので、通っているうちに人脈が広がっていくんじゃないかと思いますよ」
ハワイと日本。どちらの良さも感じられる茅ヶ崎が、私がいま一番住みたい場所
知人も仕事もない状態で移住し、少しずつ自分の居場所をつくっていった恵利さん。今でこそ多くの人を巻き込んで活動している恵利さんですが、移住直後はさすがに不安などあったのでしょうか。
恵利さんの活動に惹かれ集った、いつも支えてくれる仲間たち
恵利さん:
「茅ヶ崎の人って、茅ヶ崎がすごく好きなんですよね。ゆるくて、自己愛が強くて、それでいて他者を受け入れてくれる。
愛知にいたときは全員がそうではないんですが、自分の街を自慢する人ってほとんどいなかったんです。みんなどこかで否定していたり、良さをあまり表に出すことのない文化なのかと思います。だからこそすごく新鮮でした。
でも茅ヶ崎の人に聞くと、茅ヶ崎は湘南エリアの中でも特別だそうです。他の街に比べて移住者も多いから、新しい人がコミュニティの中に入って来ても全然気にしないんですって。
ローカル色は強いけど、新しいものを受け入れてくれる茅ヶ崎の特性は、本当に素晴らしいと思いますね」
帰国後は海外と日本の文化の違いにギャップを感じたり、わたしって人と違うんだな、浮いているかな、と思うこともあったのだそう。でもそう感じたからといって、自分を変える必要はないんだな、と気づいたといいます。
恵利さん:
「周りに合わせて縮こまるよりも突き抜けて、好きなことや、やりたいことをやっているほうが周りも応援してくれるし、わたしらしくていい。そこはぶれずにやれているかな。
いずれは海外に戻ることも考えていましたが、茅ヶ崎が大好きなので、今はずっと茅ヶ崎でいいかなと思っています。
海外のスタイルが好きで一度は出て行きましたが、日本でこんなにいいところがあったら、もう動く必要がないですよ。言語の壁もないですし。
人と比べたり、周りを気にしたりせず、思い切り自分を活かして働くこと。そんな海外のようなスタイルで生きていける茅ヶ崎が、わたしはすごく好きなんです」
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取材中、投げかける質問に、一つ一つ丁寧に答えてくださった恵利さん。しなやかに、たくましく生きる恵利さんのパワーに惹きこまれている人は、茅ヶ崎でも多いのではないでしょうか。
でも決して無理をすることはない。ゆっくり自分のペースで「自分スタイル」を見つけていけばいい。
茅ヶ崎にはどんな人も受け入れてくれる、雄大な海とあたたかい地元の人たちがいるのですから。
text by : Asako Sakurai
エリさんと茅ヶ崎を繋いでくれたスポット
タカスナベース
https://www.takasuna-base.co.jp/
エリさんの茅ヶ崎ライフでは欠かすことのできない、茅ヶ崎駅から徒歩3分ほどの場所にあるコワーキングスペース。エリさんは毎日自宅と、海と、タカスナベースの行き来しかしていないほど。茅ヶ崎で暮らす、多くの人との繋がりの拠点です。
GOLD’N BUB(ゴールデンバブ)
https://paddler-shonan.com/spot/goldn-bub/
PAPER MOON Cafe Chigasaki
https://www.instagram.com/papermoon_chigasaki/?hl=ja